「金雀枝(えにしだ)荘の殺人(今邑彩)」☆見立て。密室。最高か。

 

グリム童話「おおかみと、七ひきの子やぎ」の見立て殺人が起こる。

『子やぎたちはびっくりして、かくれようとしました。一ぴきはテーブルの下に、二ひきめはベッドの中に、三びきめのはストーブの中に、四ひきめは台所に、五ひきめは戸だなの中に、六ぴきめは洗面器の下に、七ひきめは、柱時計のはこの中にとびこみました。』

 

クリスマスの夜、完全密室の中、六人が死んでいた。

『一人は書斎のテーブルの下にいた。胸に細身のナイフを突き立てられていた。

一人は寝室のベッドの中にいた。首に革のベルトが巻き付いていた。

一人は応接間の暖炉の中にいた。そばに血のついた火掻き棒が転がっていた。

一人は台所にいた。テーブルに、中身のこぼれたコーヒーカップが転がっていた。

一人は屋根裏の衣装戸棚の中にいた、開いた扉にべっとりと血がついていた。

一人は裸で浴槽の中にいた。顔の上に洗面器が載っていた。』

六人は順番に自分以外の誰かを殺して誰かに殺されたとしか思えない状況だった・・・。

 

ってどんな状況やねん!w

でも読むとそうとしか思えない状況なんだね、これがまた!

そして、七人目は確かに存在していた。

この不可能密室からどうやって抜け出せたのか。

 

いやーこれぞミステリオブミステリじゃないですか。

時代性もあるとしても、嫌いじゃないですよ私は。

て言うかこれに限らず、いちいち重箱の隅をつつくようなレビューが嫌いです。

そりゃあ、突っ込みどころはどれでもあるよ。最新でも名作でもね。

けどミステリ読むなら、特に少し時代違うのを読むなら、そういうの

ちょっと置いといて、ただ純粋に小説を楽しめばいいのでは!?といつも思う。

特にミステリなんてねー、基本殺人だしね。

再現性とか野暮なこと言うんじゃないよっていう。

お手本にしてひと殺す訳じゃないでしょっていうね。

ホント、レビューでそういうこと書く人キライ。

アンチならレビュー書かなきゃいいと思うけど私は。

黙って離れたらいいじゃん。

受け止め方はホントに千差万別なんだから。

他人の選択肢を奪う権利は誰にもないと思うよ。

(だから人の感想・レビューは話半分で。あ、このブログも含めて!w)

 

ちょっと熱くなっちゃいました、すみません(;'∀')

私もそういうレビュー見なきゃいいだけですけどね。

 

話は戻りますが。

この「密室」の解答というのが!

あからさま過ぎて、一瞬「は?」って茫然としちゃいました。

こんなシンプルなことに気づかない自分に腹が立って、

作者に怒りをぶつけたりするのがアンチになるんでしょうかね。

私は素直なので(単細胞とも言う)「えービックリー!なるほどー!」

即土下座ですm(__)m

しかも、クライマックス前にさらーっと見せられてね。

(もっとひっぱって盛り上げてからでもいいと思うぞ。私ならそうするw)

むしろ、そこにビックリしたわ( ゚Д゚)

 

古き良きクラシックな本格ミステリ

今邑彩さん、一時期ハマって次々ほぼ全作読んでいた時代がありました。

イヤミスというよりは、本格+ホラーorサスペンスなのかな。

2013年に亡くなられていたことを今回知りました。

もう新作を読めないのは残念ですが、著作は永遠に残ります。

また、改めて再読させて頂きます。

どれも面白かったです。ワクワクドキドキさせて頂いてありがとうございました。

感謝を込めて☆

 

【STORY】

完全に封印され「密室」状況となった館で起こった一族六人殺しの真犯人は、いったい誰だったのか。事件から一年後、真相を探るべく館にやってきた兄弟たちは推理合戦を繰り広げる。そして、また悲劇の幕が開いた…。恐怖と幻想に満ちた本格ミステリー。